「自分らしい」というフレーズは、自分に正直に、自信を持って生きる人をイメージさせます。
辞書的な解説を見ると、「ありのまま」とか「個性が表れた状態」などとあります。
確かにそうだ、とは思うのですが
抽象的で、私の心にはフィットしないのです。
ありのままに生きられるに越したことはないと思いますが、いつも正直でいるのは難しいと思いませんか?
そこで
今月はこの表現を実践に移すことについて、私なりに理解を進めたいと思います。
さて
「自分らしく生きていますか?」
ときかれて「はい」と胸を張って応えられる人は、どのくらい居るでしょう?
ご相談を受ける中で、「自分らしく居られない」ことが悩みのベースになっている方は多いです。
そんな方々に
「どういう状態なら自分らしいと感じるのですか?」ときいてみてもハッキリとこたえられる人は少ないです。
「自分らしい」というフレーズは、耳馴染みがよく、自己啓発本などでも頻繁に用いられる表現です。でも、自らの「自分らしさ」について、どれだけの人が自覚しているでしょう?
まず、
相談者の言う「自分らしく居られない」という状態を切り口に「自分らしい」を探っていきます。
相談者には「自分らしく居られない」人間関係の典型例や、問題に感じる場面と、そこでの気持ちを語ってもらいます。
最初に湧き上がる感情は、イライラや怒りが多いです。
その後、次第に後悔や悔しさ、情けなさが加わってくるようです。
そこには、
相手の選択を優先したり、
周囲の流れに足並みを揃えたり
他人の選択を、まるで自分の考えのようにし
て物事を決めてしまったというケースもあります。
そこで相談者は
自ら選択していないことが「自分らしく居られない」状態につながっていると認識します。
最終的に自分が下した決定でも、借り物の選択であることは本人が一番わかっているからです。
ただ、
自分以外の誰かの考えであっても、それをしっかり咀嚼し、心から同意できる意見であれば、それは自分の選択となり、問題はないと思います。
ここでポイントになるのは、自らの考えではなく、ひきづられる形で相手の決定や周囲の流れを取り込んでしまう点です。
何もせず、怠けているという意味ではありません。自分の感覚と向き合うことなく、別の方向へと力を尽くしてしまう。そうして、選択に違和感を感じてもそれをスルーし続け、疲労が重なる…そう言った方がピン!と来るでしょうか。
このような心情からは
「間違った選択は避けたい」
「周囲に迷惑をかけたくない」
など、自分の内側の感覚より、事態がすんなり運ぶことを優先する様子が伝わってきます。
自分以外の考えで進められるこの流れについて、その人自身が一番わかっているため、後悔に繋がるのも頷けます。
こうした思考の流れは、まるでチェーンが外れた自転車をこいでいる様子を連想させます。
なぜなら、いくらこぎ続けても、前進しない自転車同様、選択を続けていても、他者の考えでは、自分の目指すものや希望の状態に近づけず、疲労が溜まるばかりだからです。
こんなふうに考えると「自分らしく居る」基本は、自らの考えで選択することから始まるのだと理解できます。
そして、私たちは選択する時、周囲に影響されつつも、それと折り合いをつけながら判断を下すことで自分なりのスタイルができていくのですね。そしてそのプロセスが自分らしさを育てていくのだと思います。
そこで、実践レベルで考える「自分らしさ」
というのは
100%自由に振る舞うというのではなく、その相手、その場によって
選択する自由度を意識し、調整できることなのだと思い至りました。
また、ここまで考えてきて私は
自分らしく居られるかどうかは、相手や場との折り合いだけでないと思えてきました。
というのも、自分らしさのベースには、目指す生き方を支える「心の筋力」が影響すると感じるからです。
ここでいう「心の筋力」というのは、自分と向き合う力のことです。
具体的にいうと
「こんなふうに生きたい」という希望に対し、
「それは無理」と制限する自ら作る壁に対峙する力です。
ここには
時間的余裕を生み出す力
自分を慈しむ気持ち
希望を見出す力
が含まれます。
そして
自ら作るこの壁については
目に見えないから、気づきにくいのか
気づいているけど、気づかないフリをしているのか
….熟年世代にとっては、痛い所です。
他の誰でもない自分がかける制限、この枠が、自分らしさを一番抑制しているように思います。
こう考えると、
この壁と誠実に向き合う「心の筋力」への意識次第で、自分らしさのアップは期待できそうです。
ただこれが
一番難しい。
でも
一番やり甲斐のある挑戦だと思います。
誰にも代わってもらうことはできないし、年齢は関係ないとは言え
できるだけ早い時期が望ましいです。
そういう意味では
誰にとっても
自分らしさを意識にのぼらせた
「今ここ」が、
そのタイミングなのかもしれません。
さて、
あなたは今
「自分らしさ」を
どのくらい活かせていますか?
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