腑に落とせた習慣が、不安な気持ちを切り替えてくれる

メルマガより

不安に陥った時、心強い味方がついている…と思えるとどんなにいいだろう。
これは単なる期待ではなく、習慣で創れる確実な拠り所です。その習慣の作り方を具体的につぶやきました。
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先日カウンセリングの終わりに50代のクライエントNさんから、このようにたずねられました。

それは
「今後の方向は何とか見えてきました。でも、また不安になった時、その気持ちにどう対処したらいいのでしょうか」というものでした。

再び、こんなつらい不安に襲われた時、
次は、どうしたらいいのか?

人生の中で、繰り返し起こる不安、
その不安が大きくなる前に、できれば自分で対処したい…という思いが伝わってくる一言でした。

そこで今月は、
ネガティブな気分を切り替えるため、その姿勢を腑に落とす考え方について、Nさんとのセッションを終え、改めて振り返ってみました。

不安や悩みで気持ちの持って行きようがない時
私には、決まってつぶやく言葉があります。

それは、
「どうせ、うまくいくのだから」というフレーズです。


これは私にとって、
気持ちを切り替える時の強い味方です。

Nさんにも、
提案の一つとしてこのフレーズをお伝えしました。

このフレーズは、
「きっと、うまくいく」というような希望的な予測ではなく、
「どのような道をたどっても、最終的には、良かったと思える状況に落ち着く」とポジティブな想定
です。

この表現については、
これまでHPなどでも何度も書いてきたこともあり、Nさんは、すでに知っておられました。

しかしNさんは、こんなふうに言葉を続けられました。

「その意味はわかりますが、腑に落とすのがむずかしいです。」…と、実践できないもどかしい様子が伝わってきました。

確かに、
良くない出来事でも
最終的にプラスに繋がるのだから
必要以上に悩まずに進もう!
…とすんなり思えれば、それに越したことはありません。

しかし、
それがむずかしい。。。

そもそも、
このフレーズが意味するところについては

「人間万事塞翁が馬」や「禍福は糾える縄の如し」という諺から、多くの人が「まぁ、そうとも言えるけれど…」と気休め程度に理解はできるかもしれません。

ただ、私は
「創造の病」と言われる考え方に興味を持ち、先の諺より、もう一歩進んだ考え方で気持ちの切り替えを図っています。

「創造の病」というのは、精神医学者エレンベルガーが提唱したもので、病を患った後、創造的な仕事を成し遂げることに繋がった人たちの道のりから名付けられたものです。

そして、いま現在においては、この「病」の部分をネガティブな出来事に置き換えて考えてみる。そうすると「ネガティブな出来事」が起きた時こそ、好転する未来を意識的に予想してもいいのではないか….という思いに至りました。

そうは言っても、
昔の偉人が成し遂げたことを、自分の身に重ねるのは抵抗ある人も多いと思います。

そこで、
このフレーズを心に根づかせるために、必要なことを考えました。

1つ目は、効果を理解する
2つ目は、あることを心がける
この2点です。

1つ目の効果を理解するというのは
「どうせ、うまくいく」と思えると、なぜ不安から抜け出しやすくなるのか?について理屈として知っておくということです。

まず、
「どうせ、上手くいく」とポジティブな予想ができた時点で、思考が動きます。

ただ、
「そんな不確かな予想をしたところで、不安がなくなるわけじゃないでしょう」というのが本音だと思います。

なので、肝心なのはココからです。

ほんの少しの期待でうわべだけでも予想しようと試みると、それまでより気分はアップします。

そして、少しでも上向きになった後の行動は、わずかでもポジティブになりやすいです。
変化した行動から、更に思考が変わり前向きな行動に繋がりやすいです。
そうすると、良いフロー….いわゆる好循環が起こりやすくなります。

この循環は人を選ばず、誰にも起こることです。
「今ここ」の気分に影響され、行動した結果の先に「未来」が創られるのだから、当然でもあります。

これを理解した上で2の心がけを実行する。

心がけとは、
日々の中で感じるささやかな体験を拾い上げること
です。

ここで言う体験は、ネガティブなことがポジティブに転じたことに加えて、その時に湧き上がる「良かった!」「ラッキー!」「ホッとした」という嬉しい感覚です。

例えば、
・忘れ物をして、自宅に引き返したことで電車に乗り遅れてしまった。
 けれど、取りに戻ったことで、もっと重要なものを忘れていたことに気づき、事なきを得た

・仕事の日程調整を誤ってしまったと後悔したけれど、
 その後に現れた助っ人のおかげで、調整以前の流れ以上にうまくことが運んだ

(生活にチョー密着したことですが…)
・スーパーで買い忘れた品物が、翌日安売りに出ていた

…というような、
後悔や失敗など、ネガティブなことが挽回された出来事です。

え?そんなこと?
そのくらいのことならたくさんあるわ!
と思われたのではないでしょうか?

とはいえ、
これまでそれらを
気に止めず、単なる偶然だと軽く流していませんでしたか?

大きな幸運だけではなく、
日々起こる、ささやか過ぎるくらいの嬉しい偶然を意識する


どんな成り行きであっても、
良い結果に繋がったのは事実です。

自分の想像の及ばない道筋で、何かの力が働いたとも考えられます

「想像の及ばない何かの力」なんて言うと、
「そんな目に見えないものを真に受けるなんて」と怪しく思う人がいます。

でも、正に今、
このことをお伝えしているネット環境に欠かせないWi-Fiも、そして、あなたの心も、目に見えませんが、確かに在ります。

意味がないと思われる偶然を
「ラッキー!よかった!」とトキメキと共に意識する


こう意識できることが度重なると
「やっぱり上手くいった」と好転する流れや見えない力を実感できるようになります。

ささやかな偶然を意識する時、前向き貯金のようなものが貯まっていきます。
そしてこの貯金は、
不安が好転すると思う力への支えになってくれます。

以前、この類の話をした後、クライエントさんからこんなふうに言われたことがあります。
「りぼーんさんが言うようにして良い結果にならない時、責任とってくれるのですか?」と。

それを聴いて私は、
失敗することを極端に恐れ、何にも踏み出さず、人生で最大の失敗をし続けるその方の流れを感じた記憶があります。

絶対成功するという策を伝える他人の言葉より、
自身にストックされた意味ある体験は、何にも勝る腹落ちの材料だと思うのですが、

ただ、
新たに知り得た情報があったとしても、
それを実践する人は、2割
その中で継続する人は、また、その2割で

100人中4人だと言われます。

私自身も
続けようと思いながら、中途半端にやめてしまっていることがたくさんあります。

なのに、
このフレーズだけは面白くなって継続しています。

その理由は3点、
・前向き貯金が確実に増えていること、
・その貯まった貯金で、大きな落ち込みも切り替える力がついたこと、
そして、
・好転する流れを実感できるようになったからです。

困った時は、外に助けを求めたくなりますが、継続したものは自分にとって大きな力になってくれます。

この話を聞いて、
どんなふうに思われたでしょう…

あなたにも、ちょっと面白がるつもりで試してもらえると嬉しいです。

▼メルマガ「生きやすさのヒント!」第189号から転載したものです。
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