感じようとしながら聴く

コミュニケーション

子育ての中で、親はいつも子どもに寄り添っていたいと思っています。しかし、毎日の忙しさに紛れて子どもの話にじっくり耳を傾けられないこともあります。
子どもは「お母さん、コレどうしたらいい?」とか「お父さんおしえて」などと親を頼りに意見を求めてきます。そういう時「こうすればうまくいくはずよ」と答えをだしたり、反対に「そんなこと聞かれてもわからないわ」と突き放したり…子どもと一緒に考え導く余裕がないこともあります。大人からみればどうってことないことにも、子どもは小さな心を痛め迷っていることがあります。そのような場面で話を聴いて悩みを分かち合えると、親子間に信頼が生まれ絆が強くなります。

「話しをきく」って、具体的にどういうことなの?

「聞く」でも「訊く」でもなく「聴く」という感じ(漢字)が当てはまります。
「聞く」というのは、聞こえてくる、耳に入る…というニュアンスです。
「訊く」というのは、こちらの都合で知りたいことを問いただす傾向が強いきき方です。
「聴く」というのは、心を向けて注意深く相手を思い(想い)耳を傾けるということです。
子どもが帰宅し「ねぇねぇ お母さん・・・・」と話し始めたことは、一番聴いて欲しいことです。忙しい中てもできるだけ手を止めて、しっかり聴いてあげてください。子どもはそんなに長い間話し続けないはずです。もし、長引きそうで抱えている用事が気がかりなら、「ごめんね。どうしても~~しないといけないから」と理由を言いながらも、少しの間は下記の姿勢を心がけ聴いてあげてください。
★子どもの目を見て聴く
パソコンの画面をみながら、家事をしながら…など「ながら聴き」をしない。
★興味をもって聴く
「うん!うん!それでぇ?」という合いの手など入れ、しっかり聴いていることを感じさせてあげることが大切です。
★子どもの話を否定しない
「うそ~」などの合いの手はいりません。子どものいうことは辻つまが合わないファンタジックなこともあります。それも含めて楽しみながら聴いてあげてください。
★話の途中でさえぎらない
「そこで先生が誰に何ていったの?」など、尋問にならないよう努めてください。
★アドバイスをしない
「お母さんなら~~するわぁ」など親の意見を必要以上(子どもの意見より先)に発することは控えましょう。

聴くばっかりなの??

「子どものこころを聴く」ということは、子どもの心に寄り添い、想像力を働かせながら子どものこころを映すように反応することです。親が興味あることばかりでなく子どもが聴いて欲しそうなことを質問しながら聴くことで子どもはしっかり受け留められていることを感じます。子ども-1
子どもに関わらず、大人でも自分の気持ちを汲んでもらえると気分が落ち着き、安心します。そしてそこに信頼が生まれます。そうする中で子ども自身が自分の気持ちを振り返る機会を得ます。その上で当人がどうするかを見守る・・・という姿勢が大切です。
【親子の会話:例-1】
子ども : 学校でA子ちゃんに意地悪なことされてん。
    母親A : それはA子ちゃんがわるいなぁ。
    母親B : あなたが先に意地悪されるようなことしたんじゃないの?
★母親C : そおぉ。意地悪なことされたの。(単に繰り返すだけでもOK!)
【親子の会話:例-2】
子ども : 学校いきたくないねん。(朝、ぐずりながら)
    母親A : 何言ってるの!休むなんてアカンよ!とにかく 行きなさい!
    母親B : 何で行きたくないのか、ちゃんと理由をいいなさい!
★母親C : 今日は行きたくない気分なんやぁ。どうしたんやろぅ?(気持ちを汲んであげている)
話を聴くときに、「相手はどういう気分なんだろう?」「わかってあげよう」という姿勢で関わると、子どもは、気持ちを語りやすくなります。

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