人間関係における上下、気持ちのいい響きではないけれど、確かに在ります。上下・強弱どちらの働きかけによって、良い関係に発展するのか?
やはり、立場が上で、社会的に力の強者側です。
どんな意識を持つことでより良い関係づくりができるのかについて綴っています。
上下関係と聞くと、あなたはどんな関係を思い浮かべますか?
例えば
親と子
上司と部下
教師と生徒
医師と患者
お客と店員
などが挙げられますし、他にも同僚であっても、力関係によっては上下がつきます。この関係で悩みがある方は、特定の人の顔が浮かぶのではないでしょうか?
そこで今月は
上下関係から生まれる、言葉では表現しづらい弱者の抵抗感について、立場的に上の人や社会的に力が強い方の人の心がけについてつ
ぶやきます。
ここでは、表現の都合上、
立場が上の人、力が強い人を「強者」と呼び、その逆の人を「弱者」と呼ぶことにします。
まず、
上下の関係では、いくら強者が対等な関係を打ち出そうとしても、気がつけば、強者からの指導や指示、命令など主従関係のようなも
のになってしまいがちです。
それらには
滞りなくことを進めたり成長を促すためだったりメリットも多くあります。
その反面、
弱者側がものを言えず、意思表示できない状態に陥ることもあります。
このようなメリット・デメリットがある中、ここでは、強者が弱者の本音に気づいていないことで生まれる問題点を考えます。
両者の間で、完全に対等な関係を目指すというのは、正直難しいと思います。ただ、そうは言っても、自由な意見交換がもたらす効果は大きく、両者の発展のためには壁のない、ものを言える関係を意識することは大切です。
例えば
男性ばかりだった会議での女性の発言や年配者の中の若者の発言
これらは新鮮な発想につながることも多いです。
それがわかりながらも、強者が、その流れを作るのは難しいこともあります。
なぜなら、
強者側が、自分の態度の大きさ、立場の強さを自覚できず、弱者側の口を塞いでいることがあるからです。
口を塞がれた相手は、強者を軽視したり、恨みにつながることもあるでしょう。
立場の強さを意識して発言している人は別として、知らずにその流れを作っているとしたら、もったいないと思います。
以前、
母娘の問題を話し合う当事者の会に参加した時のことです。
摂食障害を持つ娘さんへの態度について、あるお母さんが「私は娘の話にしっかり耳を傾けて、娘の意思を尊重しています」とおっしゃいました。
そこで私は、おたずねしました
「お嬢さんとお母さん、どちらが先に意見を言うことが多いですか?」と。
その方は、こう答えられました。
「お母さんは、◯◯だと思うけど、あなたはどう思ってるの?」というように意見を促す…と。
娘さんが何も言わないので、お母さんが待ちきれず、先に意見を言ってしまう、ということでした。
これは娘さんからすれば「黙っていればお母さんが意見を言ってくれて、それに従えばいい」という気持ちになっているのかもしれない、と感じました。それと共に、強者が先に発言することが、指示や命令、おしつけにつながることを意識できていない、上下関係のありがちなパターンが想像できました。
他の例では、
上司が間違ったことを言ったり、こちらの意見を取り違えていることがわかっても、部下は何も言わないということがよくあるのです。
母娘の会話と同様
強者が意見を促したとしても、立場の違いによって、無意識の内に相手へ威圧感を与えているということ。そのため、強者側は、意見を言う順番など、相手に対する配慮を忘れないように注意が必要だということです。
思春期を過ぎた子どもが、急に親へ暴力を振るうという話はよく聞きます。それは、親が強く居られる時は従っているけれど、力をつけた子どもが、ある時期を境に立場が逆転した例です。立場が弱い時に受けた言動に納得できないことで、噴出した怒りが伝わってきます。
弱者側の反撃の有無は別として、気持ちの良い関係を続けるには、立場が強い方が自らが強者であることを自覚し、どれだけ相手に配慮できるかにかかっているように思います。
加えて、
「自分は強者になることはない」と思っている方へは、
人はずっと強者で居ることも、ずっと弱者で居ることもないということを覚えておいてほしいと思います。
というのも
コンビニへ入ればお客さんになりますし誤って人にぶつかった時はちょっとした加害者で、謝罪する立場になります。
強かった親も高齢となり、弱くなります。
そして
まだまだ元気と思っている自分自身も、社会の中で弱者へと立場が移ろいます。
「立場が上」などという表現は抵抗があるのですが、この構図はいつもどこかに在り続けるのでしょう。
そして、
強者側の時の言動こそが、その人の人間性を窺わせるように思います。
そう考えると、折に触れ、立場の確認、態度の振り返りを忘れずに居たいものです。
今、
あなたはどちらの立場に立つことが多いですか?
どちらでもなく「中立」だとおっしゃる方、
そのような中に「強者側」に立つ方が多いように思います。
私自身、無自覚であることが多く、自戒を込めてつぶやきました。
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