気が利く人は知っている「役目」と「役割」の違い

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人には「機転が利く」と言われる地頭の良いタイプと
そうでもないタイプがあります。

あなたは、ご自身をどちらのタイプだと感じますか?

私は迷うことなく後者です。
小さい頃からウッカリした態度をよく指摘されていました。

特にサボっていたわけではなく、目の前のことには一生懸命取り組んでいたつもりでした。

ただ、
その方向がズレていると、報われないのですよね。

そこで今月は、
私のように、これまでに報われない思いを味わった経験がある..という方に向けて
「役目」と「役割」の違いを比較しながら、一生懸命さが実を結ぶためのアクションについて考えました。

「役目」と「役割」は日常的には同義語のように使われています。ですが、微妙に違うのです。

この意味の違いを意識できると、物事への見方が変わり、その後の言動にも良い影響を与えます。

それは、
どういうことなのか?

一つには絞れませんが
中でも、
何か頼まれごとをした時に、相手への貢献度がグッと上がる嬉しい効果があります。

嬉しい効果?

それは何かというと
相手が希望する結果へと、役に立てるということです。

ではまず、
「役目」と「役割」を比較する前に…それぞれの意味を確認しておきましょう。

「役目」についてですが、
これは「目的を果たすための務め」を意味します。

一方、
「役割」は、その務めを成し遂げるために割り当てられた仕事です。

つまり、
「役割」が果たされることで
「役目」が完結する…のようなイメージです。

この違いを知っていることで言動にどんな変化が起こるのか?
これを、道をたずねられたシーンを例にとって解説します。
「役目」と「役割」の違いを考えながら思い浮かべてください。

観光客で賑わう京都でのことです。
キャリーケースをひいた外国人から、梅田駅への行き方をたずねられました。
(梅田は大阪の中心地)

梅田駅へはJRや阪急、また京阪+地下鉄を乗り継ぐなど…ルートは一つではありません。

そこで
荷物の量も考慮して、電車からの眺めよりも最短ルートを答えました。

通常これだけでも十分です。

しかし、
一つ質問を挟むことで、違った展開に繋がります。

例えばここでは、
その外国人に
「どこまで行くのですか?」という目的地を尋ねる問いかけです。

そこで相手からの答えが
「USJに行きたいのです」と返ってくれば、こんな案内もできます。

それは、
「京都駅から直行バスが出てますよ。必ず座れるし、料金にはスタジオパス代も含まれています。」…と。

もちろん、電車に乗りたいという要望なら、それに沿った案内をすればいい。だけど、道中が心配で、荷物の多い人にはこの情報は有益です。

何を言いたいかというと
相手の目的がわかると、より一層、相手の役に立つことができそうだ…ということです。

このケースの本来の役割は
梅田駅までの経路を伝えることでした。

でも、
目的地を知ったことで、相手が期待していた以上の情報を与えられたわけです。
その結果、
「役割」を超え、「役目」を果たすことができました。

このような道案内での対応は、誰もが気づきそうなことです。

ところが、
他のどんなことにも応用できているか?というと、どうでしょう?

例えば
職場でコピーを頼まれたとして、それを済ませたあと、こんなことが頭によぎるようなことはありませんか?

「これを何に使うんだろう?コピーの他にしておくことがあったかも….」というようなコピーの依頼でないにしても、次の展開を気にかけず、言われたことだけに反応し不安になったこと…。
どうでしょう

ただここで
こんな反論がでるかもしれません。

「それって先を読む力の問題だから、ある程度歳を重ねたら出来るようになるんじゃないの?」とか
逆に
「生まれ持った器用さや能力の差だから変えようがないんじゃないの?」など…。
意見はいろいろあると思います。

しかし、
これを書いている私自身、冒頭でもお伝えした通り、機転を利かせることについては、いい大人になっても難アリという状態でした。

それが、
この「役目」と「役割」の違いをイメージするようになってからは、相手の最終目的(本当に望んでる結果)を考えた言動を心がけるようになりました。

通常、機転を利かす力を伸ばそうと思うと
「視野」を広げ
「想像力」を働かせ
「積極性」を養う…などの努力が必要です。

とは言え、
そんな努力を迫られること自体、気持ちがしんどくなるというのが私の本音でした。

その点、
「役目」と「役割」の違いに視点を置くと案外簡単に前述した努力と同じような効果が現れます。

今、自分がやっているのは「役割」レベルのことかもしれないと考えられると、「役目(目的)」は何なのか?と考え始めることになります。

そうすることによって
「視野」や「想像力」「積極性」が総動員されます。

それでも相手の望む結果がわからなければ、ストレートに相手の目的を聞けばイイ…そんな感じです。

問いかけのフレーズとしては
「このあと、これを何に使われるのですか?」とか
「他に何か私にできることはありませんか?」
など、一言添える。

この問いかけに対し、
「余計なことをきかなくてもいい」などとこちらの配慮を悪意にとる人は少ないはずです。

このような、相手に役立とうとする視点は、反応するだけのやらされ仕事から「自分ごと」としてものを捉える姿勢をつくります

これは、業種を問わずどこでも通用する技量(ポータブルスキル)でもあります。

今後持っていたい能力は、知識ではなく、役立つ手立てを考える力です。
知識については、AIが代わってくれるので物知りである必要はなくなるからです。

それより
わからないことを明らかにして、次の段階を考える態度が重宝されます。そうして、一緒に働きたい人材として求められるようになるのでしょうね。

さて、4月はもう目の前。
新年度に入るにあたり、
転職や人事異動、サークル活動など、新たな環境に身を置く方も多いと思います。

何をどんなふうに気を利かせれば良いかわからない時、
「役目」と「役割」の違いを思い出し、次のアクションに繋げてください。

ただ、これは
知識としてわかっていても、習慣になっていないと率直な質問を遠慮してしまうかもしれません。
そうなるのは残念です

ぜひ、
お互いが助かる質問や声かけを心がけてみてください。

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